シリーズ・ザ・ベーシック・オブ・コモディティ
「金の情報の取り方」Part.2 〜需給情報の取り方〜
商品相場は、需給が価格決定の重要な要素となります。供給が消費を上回っていれば、需給はバランスを崩して価格は下落しますし、その逆に供給が消費を下回れば、需給は引き締まって価格は上昇します。当然、金の需給にも供給過剰と供給不足の事態となるケースがあり、それが価格の上げ下げにつながるのが一般的です。しかし、純粋に統計上において需給の不均衡が見られないのは、数ある商品の中でも唯一、この金だけです。つまり、常に、供給と需要とがバランス化している統計になっているということです。
需給統計は、世界的な金統計の権威であるゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ(GFMS)がまとめています。毎年4月に年間の需給レポートの結果を発表していますが、その他に9月と1月の2回、中間報告を発表しており、金需給の指標として国際基準となっています。この他に、金の広報機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は需要統計のとりまとめを行っています。
冒頭で、「統計上、金需給の不均衡は見られない」ことを指摘しました。一般的に一次産品は、供給と需要の差し引きをし、供給が過剰であるのか不足であるのかを判断します。供給が多ければ在庫として積み増しされますし、逆に供給が少なければ在庫が減るわけです。これに対し金の需給統計は、全ての需給ギャップを統計上に組み込むため、見掛け上は常に需給が均衡しています。供給サイドでは、鉱山会社のヘッジ売りなどがある一方、需要サイドでは投資目的や退蔵用としての金購入などがあり、この統計の中で調整がなされて需給を常にウエルバランスとしているわけです。
ただし、金も素材商品であるわけですから、当然、現実の需給関係は存在します。では、それを何で見ればよいのかですが、一つの指標として、供給は新産金(鉱山生産)と二次回収との合計、需要は宝飾用と工業用の合計(加工需要合計)で判断し、この差し引きで需給のバランスを見るというやり方があります。別な方法としては、鉱山会社のヘッジの動きで見る方法もあります。例えば、1999年まではヘッジは毎年売りだけの表記でしたが、2000年以降は逆に需要として表記されるようになり、この鉱山会社のヘッジの動きは2000年を境にして逆転現象が見られます。これは、それまでの供給過剰から供給不足へと、金の需給が変化したのではないか…と判断される一つの目安となります。
(※)ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ http://www.gfms.co.uk/
(※)ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC) http://www.gold.org/
(TOCOMナビ 編集室)

