最新レポート
「ゴム相場の数か月の見通し」
株式会社三富商店 営業部課長 宗岡隆之氏
2008年5月2日更新
天然ゴムは、今年に入ってからも激しい動きが継続しており波乱含みの展開が続いている。NY原油が連日で史上最高値を更新するなど、他国際商品に与える影響は大きく、基本的に天然ゴムもそれに連動する形となっている。
また、これに伴い、今後ナフサの高騰により合成ゴムの価格の上昇が予想され、天然ゴム価格も更に上昇する可能性があるであろう。原油の値動きは天然ゴムにとっても重要なファクターであることは言うまでもない。
主産地タイでは、ソンクラン(水掛け祭り)が終わって減産期明けとなり、中央市場での集荷量が期待されるが、現在1日10〜20トン程度と非常に少ない。またUSS(注1)の価格も上昇しており、現物価格はグレードによって急伸している状態。
産地価格に対し日本国内定期市場はかなりの安値となっており、現地生産者の売り渋りも見られ、一部シッパーではオファーが止まっている。そんな中、中国の国内ゴム在庫が大きく減少しており、現在急ピッチで産地との成約を進めているとされる。中国の国内生産は、天候不順や害虫問題、白粉病によってかなり深刻な状況にあり、更にタイ・インドネシア・ベトナムなどからの輸入増により、産地の需給が引き締まっていくことが予想され、ゴムの地合いは強いと思われる。産地の集荷量が200〜300トン水準を回復するまで、産地価格の高止まりは続くであろう。産地はまだ快晴が続いており非常に暑く、ハードウィンタリング(注2)となれば、現物価格も更に上昇してくることが予想される。
今後注目されるのは、やはり原油・貴金属を中心とする国際商品の動向である。あとは、予想しづらい為替の動きやファンド勢の動向だろう。どこかの時点でファンド筋が買い方針に転じれば、今後急騰する可能性は大いにあると思われる。短期的には、ファンド筋の売買状況で乱高下することが考えられるが、高い値位置でのボックス圏内の動きとなることが予想される。
4月〜6月までは、高値ボックス圏内での展開が予想されるが、7月〜8月には恒例の夏場の不需要期が控え、産地は6月からの雨季などで生産増となると、急激に反落してくることが予想される。
ここしばらくは、内部要因主導の展開が予想される。ただ、波乱含みの中乱高下は予想され、一本調子での上昇は考えられない。
2005年以降かなり激しい動きが続いており、実態は不安定で、今後も予想しにくい状況が続くだろう。
減産期明け間近の産地サイドからのコメント
「現在タイは まだ減産期です。玉は非常に少ないです。5月積みの価格は歴史的な高さです。一方、インドにはこの時期豊富なゴムがあります。そのためバランスがとれています。中国は静かです。高値の時には引き合いはありません。前回価格が下がったときに買っていました。次のチャンスを待っているでしょう。STR & RSS はフルブッキングされています。タイでは目下非常に暑いです。タイの南では少し雨がみられます」 タイ(某シッパー)
「生産が非常に低調で生産量が少なく予約も入っているため価格は締まったままです。トップグレードの SMR CV/L はかなり安定的、CUPLUMP グレード 10/20 は少し不安定で、原油価格が天然ゴムマーケットを後押ししています。」 マレーシア(某シッパー)
「価格が非常に締まっています。非常な悪天候に見舞われ、生産にひどく影響を与えています。その結果TPC-1Xの価格は急騰しています。」 スリランカ(某シッパー)
「LATEX GRADE (SVR 3L / L, SVR CV50 & CV60) が減産期のため在庫が非常に少ない状態です。 SVR Lを含むすべてのゴムの4月積みOFFERはできません。1月から4月のすべてのゴムは長期契約で予約されています。今年の WINTERING は例年より暑く乾燥し、価格は上がり続けると予想しています。」 ベトナム(某シッパー)
- 注1:USSとはアン・スモークド・シートの略で未燻煙(みくんえん)シートのこと(ゴムのシートとして未完成)。
- 注2: ハードウィンタリングとは、雨季がなかなか来なくてウィンタリング(落葉期=減産期)が長引くことを表す。
宗岡隆之
昭和56年に三富商店入社、勤続26年。
株式会社三富商店は昭和23年、神戸に設立。天然ゴムおよび合成ゴムの輸入販売商社。


