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「ガソリンや灯油の価格はどのようにして決まるのか」(上)

垣見油化(株) 代表取締役専務 垣見裕司氏

2007年2月16日更新

日本の石油は99.7%を輸入に依存(02年統計)し、海外の原油相場の影響を非常に大きく受ける。世界の原油価格の代表的指標として報道されるのがWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)だ。WTIはニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引される米国テキサス州産の軽質原油だが、実際の産出量はせいぜい1日当たり数10万バレル程度に過ぎない。しかしNYMEXのWTI先物ではその数100倍の1億バレルを超す取引がなされていることから、単に「一つのエネルギー商品」の枠を収まらず、「金融商品」の側面があることを否定することはできない。

一方、日本の輸入価格を決めているのは、ドバイやオマーンの中東産原油である。WTIは一時、中東産原油に比べバレル当り8ドル程度高いこともあったが、06年は年初や秋口に起きた60ドル割れの時は、中東産原油よりも安くなるといったケースもあった。マスコミの多くは荒っぽい動きをするWTI価格を報道することが多い。しかし私見だが、WTIは投機的な側面が強く、一方の中東産原油は実需を反映して価格が動くことが特徴的であろう。

これらの国際的な原油価格の影響を受けて日本国内の原油価格は決定される。この参考価格となるのは日本の輸入通関価格(CIF)である。CIF価格は、中東産原油のFOB価格に運賃(F=フレート)と保険(I=インシャランス)を加えて導き出すことができる。海上での輸送日数は約20日間を要するので、翌月のCIF価格はかなりの精度で予想することができる。このCIF価格に約2円の石油関税や90日の民間備蓄義務経費、それに自家用燃料費4.5-5円の精製経費を加えたものが、製油所出荷価格となる。

通常1000キロリットル以上の小型タンカーのロットで取引される大口の業転品(業者間転売品)価格が、前述の出荷価格より高ければ精製元売は利益を上げることとなる。さらに陸上でタンクローリー等の単位で取引される業転品は、海・陸のロット格差とローリー運賃が上乗せされることから、海上より2円程度高いのが一般的である。あとは「需要と供給能力のバランスと在庫量で価格が決まる」として終わりたいところだが、石油製品がその最大の特徴である「連産品」だという点と、行楽シーズンや暖房需要などが関係する「季節商品」である事も考慮する必要がある。

 (次回に続く)


垣見裕司氏
垣見裕司(かきみ ゆうじ)

(石油業界の中堅特約店経営者という立場ながら、)資源エネルギー庁の石油流通課研究会委員(H13-14年)や同石油販売業経営高度化調査・実現化事業委員長(H14-18年度)等を務める。また垣見油化のホームページ(http://www.kakimi.co.jp)で同氏が業界問題を解説する毎月のトピックスは大人気。年間アクセス数も50万件を誇り業界内外から高く評価されている。業界月刊誌(ガソリンスタンド)での連載などの執筆活動の他、石油事情や人材育成等の講演も数多く行っている。