第12回(2007年3月23日更新)
『価格を動かすもの11』
【テクニカル分析5】
毎年必ずこうなるという季節要因があれば、これほど楽なことはないだろう。しかし毎年チャートを眺めていると、同じ傾向になるものがある。例えば、東京トウモロコシの11月限と5月限は11月限が始まる10月末には5月限の方が高く、5月限の納会に近づくにつれて相対的に5月限が安くなり、11月限が高くなる傾向がある。この場合、11月限を買って5月限を売れば利益を出すことができる。無論、例外もあるため、絶対というわけではない。こうした例年の傾向は、こまめに研究すればもっとあるのではないだろうか。単純に、価格の上げ下げを予測するだけではなく、このように限月の違いによる異なる値動きを研究することも価値はある。
【変動期の対処の仕方1】
2007年2月28日の世界的暴落時にどのようにうまく乗り切れば良かったかについて考えてみよう。おそらくトウモロコシも大豆も金も銀も、それまでは上昇傾向にあったため、買い持ちしていた人が多いだろう。2月28日に突然ストップ安に見舞われて、こうして買い持ちしていた人々はさぞかしあせったことだと思われる。
この場合、最も肝心なのは、その下落基調がどの程度の強度を持っているかを推し量ることだと思う。単なる一過性の下げであれば、やり過ごすこともできる。しかし、中国の株価下落に端を発した世界的な株同時安を見れば、これはただ事ではないと思わねばならない。円が一挙に6円近く円高になるなどは異常事態である。円高なら日本の商品価格は下落する。
こう判断すれば、いつ買いポジションを損切りするかが緊急の課題となる。28日はストップ安なので仕切ることはできなかったが、その翌日は東京金は前日終値(ストップ価格)の2620円から9円下がった2611円で寄り付いている。本来ならここで手仕舞いするべきであった。
なぜ損切りが大切かと言えば、損を引きずって資金を固定してしまうことこそ投資を休憩してしまうことに他ならないからである。売りからも自由に入れる商品先物取引は、こうした動乱期が最も収益を出しやすい。価格変動の幅が大きければ大きいほど、的確なポジションさえ持てば、大きな利益が取れる。現物株取引のように価格が上がることをただひたすら待つ取引とは異なる。今回の場合で言えば買いポジションを損切りして清算すると同時に売りを建てることが商品先物取引投資における正解となる。
そうした替わり身の速さが商品先物取引の身上である。仮に3月1日の終値2,582円で金を売っていれば、2営業日後の3月5日にストップ安の2,432円となっており、150円の利幅が取れている。一旦損切りして逆に売り向かうことがこの場合の的確な措置であった。そうすれば、うまく行けば損切り以上の利益を数日内で取りもどすことができている。そこを現物株のようにじっと我慢して買い持ち続ければ、当分の間買い値に戻ることはないだろう。問題は時間である。買い値まで戻るまでじっと待つ期間、資金を寝かせておくことが、投資効率をひどく損なう原因となる。たとえば1枚当り3万円の損失がでたら、必ず損切りすることを習慣付けるだけで、投資効率は目に見えて改善するであろう。
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