第11回(2007年3月16日更新)
『価格を動かすもの10』
【テクニカル分析4】
テクニカル分析というのは何もチャートを分析することだけではありません。例えば、過去数年間の季節変動要因とか、為替と商品価格の影響を調べるとか、事件が起こった時の価格の動きを過去にさかのぼって統計を取るなどの研究もテクニカル分析といえましょう。チャートも過去の一代足を何年分も比較して眺めていると、同じパターンを繰り返していることがわかることがあります。確率の問題ですが、10年中9年、同じパターンなら今年もそうなる可能性は高いでしょう。しかし、10年中5年では今年がどうなるかは二分の一の確率となります。昨年はこうだったから今年もそうだというのはほとんど意味を持たないでしょう。
戦争が勃発したり、ハリケーンが襲った場合の価格の反応には一定のパターンがあるようです。こうした過去の歴史を紐解いて、同じパターンに当てはめてみるのもテクニカル分析の一手法でしょう。
2007年2月28日に中国の株価が暴落して世界的な株価下落が引き起こされ、商品価格も貴金属や穀物が暴落したのは、ファンドの建て玉が積み上がっていたからです。暴落直前の2月27日現在のファンドの建て玉は、コーンが約40万枚、大豆が11万枚、金が14万枚、銀5万枚のロングでした。これに対し、原油やガソリンは2万枚と若干のロングしかありませんでした。そして、2月28日から3月6日にかけて下落幅が一番大きかったのは銀(16.1%)、次いで金(10.6%)でした。この間の石油の値動きはほとんど無く、むしろ若干ではありましたが上昇したほどでした。
このことは、ファンドの建て玉が多いものほど下落が大きいことを意味します。シカゴ市場のコーンと大豆は途中までは下落しましたが、3月7日以降は値上がりに転じました。そこには、コーンと大豆の需給が引き締まっているといった事情があると推理することができます。このように、突発的な事情や要因によって価格が大きく変動した場合、それをケース・スタディすることは有用であるといえるでしょう。
バックナンバー
- 第13回(2007年3月30日更新)
- 『価格を動かすもの12』
- 第12回(2007年3月23日更新)
- 『価格を動かすもの11』
- 第11回(2007年3月16日更新)
- 『価格を動かすもの10』
- 第10回(2007年3月9日更新)
- 『価格を動かすもの9』
- 第9回(2007年3月2日更新)
- 『価格を動かすもの8』
- 第8回(2007年2月23日更新)
- 『価格を動かすもの7』
- 第7回(2007年2月16日更新)
- 『価格を動かすもの6』
- 第6回(2007年2月9日更新)
- 『価格を動かすもの5』
- 第5回(2007年2月2日更新)
- 『価格を動かすもの4』
- 第4回(2007年1月26日更新)
- 『価格を動かすもの3』
- 第3回(2007年1月26日更新)
- 『価格を動かすもの2』
- 第2回(2007年1月19日更新)
- 『価格を動かすもの1』
- 第1回(2007年1月19日更新)
- 〜商品先物取引はとてもエキサイティングで、魅力的な取引です。〜

