第7回(2007年2月16日更新)
『価格を動かすもの6』
【市場内部要因】
今の時代、商品取引所も証券取引所ともコンピュータによる電算処理がスタンダードです。同時に、投資家が市場に参加する際にも、パソコンによるインターネット電子取引が急速に普及しています。これは時代の流れですし、また取引の処理速度の早さからいっても、投資家が売買をする際、あるいは取引所が売買注文の処理をする際にも、必要不可欠な取引システムになっているといえるでしょう。
電子取引の普及によって、伝統的な「場立ち」はほとんどなくなりました。この結果、臨場感のある取引所での商品取引の風景は見ることができなくなってしまいました。東京工業品取引所においては、2004年12月28日にゴム市場の場立ち取引を最後に全ての商品がコンピュータによる電子ザラバ取引へと移行しました。
一方、海外の取引所ではまだ伝統的な取引を継承しているところもあります。英国のLME(ロンドン金属取引所)では、リングと呼ばれる場所で、会員達がサークルを囲んで取引を行っています。またシカゴ穀物商品取引所(Chicago Board of Trade)ではフロア・トレーダー達の手振りによる「オープン・ビッド方式」で取引が行われています。また現在は廃止されましたが、ロスチャイルド社の「黄金の間」で金価格を決めていた時代もありました。
このような取引に直接かかわっている人、フロア・トレーダー達は、相場に最も近いところにいる人だといえます。日々の売買を自ら取引すると同時に、他の取引をしている人の売買の情報を直接、聞くことができるわけですから。
そして、視点を日本に移しますと、このフロア・トレーダーに一番近いところにいる人が、商品取引員です。市場部などで実際に取引にかかわっている商品取引員は、自分の会社の取引だけではなく、他の会社の売買情報なども入手することができるわけです。ですから、取引の専門家である商品取引員から、対面取引を通して有力な情報、耳寄りな情報を聞くことにより、売買を有利に進めることができることがあります。
今回の話のポイントは、パソコン端末によるインターネット取引は手数料が安いという魅力があるものの、生きた情報を得ることが難しいという面があります。一方、対面取引の手数料の多くはインターネット取引より安くはありませんが、これまで述べてきたように売買の判断をする際、より有益な情報を聞くことができる場合がある…という利点があります。
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