需給の特徴
需給規模が小さく希少価値

白金の特徴として、需給規模が小さいことが挙げられます。2005年の供給量は白金が206.2トン、パラジウムが261.0トン、ロジウムが23.5トンで、金の約4,000トンと比べても極めて少ないことが分かります。また生産国は南アフリカとロシアで総供給量の8割以上を占めており、政情不安や労使交渉決裂時のストライキが供給の混乱を招く場面が多く見られます。
供給
南アの白金生産は1924年の鉱床発見がきっかけ
白金の主要生産国は南アフリカです。ドイツの地質学者ハース・メレンスキー博士が1924年に発見したメレンスキーリーフ(ブッシュベルト鉱区西部の鉱床)で初めて採掘が始まり、その後は他の鉱床も発見され、少しずつ開発が進みました。同国は1948年以降、アパルトヘイト(人種隔離政策)を採っていましたが、アフリカ民族会議(ANC)などの強力な抵抗にあったことや国連の経済制裁などを受けて1991年にこれを廃止しました。ただアパルトヘイトの残した爪あとは残り、いまでも政治的に不安定要因となっています。

黒人の経営参加が今後の波乱要因
南アフリカにはアングロ・アメリカン(アングロプラット)、インパラ・プラチナム(インプラッツ)という世界第1位・2位の白金鉱山会社がありますが、白人資本であり、黒人社会が受ける経済的な不公平感が残っていました。これを是正する動きが1998年に策定された「鉱物・鉱業政策」から始まり、2004年5月から施行された「鉱物・石油資源開発法」「鉱業憲章」では2014年までに鉱業資産の26%を黒人に所有(2009年は15%)させることなどが定められました。黒人への株式売却が既に始まっており、今後の南ア社会に与える影響が注目されています。
また同国の鉱山会社は夏場に労使交渉をするのが通例となっていますが、交渉決裂時にストライキに突入することもあり、生産の混乱を招く場面も多く見られます。
需要
白金の需要先は自動車触媒と宝飾品がメイン
需要面では白金系貴金属の特性から自動車触媒向けの占める割合が多くなっています。また自動車触媒に関してはリサイクルの体制が整いつつあり、年を追うごとに回収量が増加しています。自動車触媒に次いで需要の多い分野は宝飾品としての用途です。

白金の需要内訳
白金の需要は自動車触媒と宝飾品で約8割を占めますが、電気、化学、ガラス、石油など他の工業用部門でも幅広く使われています。ただその使い方を見ると、シリコン製造用の白金ベース触媒(化学)、石油精製用の白金改質触媒(石油)と触媒として使われる場面が多くなつています。ガラス産業では液晶ディスプレーの生産設備、電気ではパソコンのハードディスクなどに使われています。投資用としては地金やプラチナイーグル・コイン(米国)が代表的です。

