古代ギリシャの哲学者ターレスは天文学の知識でオリーブの収穫を予想し、豊作が見込めるときにオリーブ絞り機を借りる権利を買いました。オリーブは翌年、予想通り豊作となり、絞り機の需要は増加し、ターレスは借り入れた値段よりも高い値段で貸し出し、大きな利益を手にすることができたのです。その後にオプション取引が確認されたのは17世紀前半のチューリップ・バブルのときです。当時オランダでは珍しいチューリップが人気を集め、球根1つで邸宅が買えるほどになり、先物取引やオプション取引(取引は酒屋などで相対で決められる)が導入されるほどまで過熱しました。バブルがはじけたのはオプション取引をしていた業者がデフォルト(債務不履行)を起こしたことがきっかけのひとつになったと言われており、17世紀末にロンドンで始まったオプション取引が規制される要因になりました。
先物オプションの登場
米国でオプション取引が始まったのは18世紀末、南北戦争前です。はじめに株式オプションが取引され、19世紀を通じて様々な金融商品が誕生しました。制度化されたのは1982年に米商品先物取引委員会(CFTC)の規制が実施されてからです。同年10月に財務省証券などの先物オプション取引がスタートし、その後に取引対象を拡大しました。現在では貴金属、エネルギー、穀物といった国際商品、株価指数、金利など様々な現物や先物のオプションが開発され、取引されています。日本の商品先物市場では金先物オプションのほかに東京穀物商品取引所でとうもろこし、大豆、粗糖の先物オプションが上場されています。
オプションの魅力
基本的な用語解説
- コール・オプション
- 買う権利
- プット・オプション
- 売る権利
- プレミアム
- オプションの価格
- 権利行使価格:
- オプションの買い手が権利行使すると原資産を取引できる価格、原資産の価格にあわせてあらかじめ設定される
オプションの魅力はデリバティブ(金融派生商品)の利点が最大限に発揮できることです。現物と先物だけの商いでは投資手法にかぎりがありますが、オプションを取り入れることによって様々な状況に対応できる金融商品ができるのです。またオプション単体ではコール・オプション(買う権利)を利用することによって先物市場で買い建てるよりもコストが安くなる場合があります。場合によっては「宝くじ」で大当たりするような状況にもなります。
オプション・プレミアムの推移

プレミアム決定の5大要因
- 金先物価格
- 権利行使価格
- 残存日数
- 先物価格の予想変動率(IV)
- 金利
プレミアムとはオプションの価格のことです。東京工業品取引所(東工取)に金先物オプションが上場されたのは2004年5月です。「金先物コールのプレミアムと権利行使価格」のグラフによると、先物価格が上昇するとともにプレミアムが大きくなっています。プレミアムは単純に計算すると先物価格と権利行使価格の差に近い値(先物価格が権利行使価格を上回る場面ではプレミアムも高くなる)になります。ただ市場が大きく変動するようなときには権利行使日までの残存日数、市場参加者の思惑、金利動向という要因も加わってプレミアムも変動します。特に市場参加者の思惑はインプライド・ボラティリティ(IV:予想変動率)に反映されます。一般的に値動きが激しくなると、市場参加者の予想変動率が大きくなってIVが上昇し、プレミアムも高くなります。


