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金/金ミニ

需要と供給

供給

最近5年の金の需給2005年の需要と供給

鉱山生産は業界再編で伸び悩み

金の供給源は鉱山生産、二次供給(スクラップからの回収)が中心です。金の統計をまとめているゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ(GFMS)社によると、世界全体の年間供給量は、1971〜73年の約1,390トンから1985年に2,000トン台に乗せた後も増加傾向が続き、1990年代に入ってからは3,000トン台に増加し、1997年から2000年まで4,000トン台を記録しました。ただ1990年代後半の金価格下落による業界再編を受けて2001年以降は4,000トン台を割り込む年も見られるようになっています。

主要生産国

生産国のトップ3は南アフリカ、米国、オーストラリアですが、南アフリカと米国の鉱山生産量は年々減少傾向にあります。4位以降の中国・ペルー・インドネシアなどは、新規鉱山の開発や技術の革新が進んで年々増加傾向にあります。南アの鉱山会社は夏場に労使交渉を行う傾向にあり、ストライキなどが突発的な強材料となることもあります。

主産国(2005年)

中央銀行の売却が供給不足を補う

1990年代は、各国の中央銀行などの公的機関による売却をはじめ鉱山生産以外の供給部門の合計が伸びました。総供給に占める鉱山生産のシェアは1980年代初めまではおおむね全体の7割以上を占めていましたが、1997年に全体の59%にまで落ち込んでおり、中央銀行の売却がなければ需要を満たせない状況にあります。

世界主要国の金準備

1990年代後半は金準備売却が関心を集める

各国の中央銀行や公的機関は外貨準備の一部として金を一定量保有しています。1990年代は多重債務国救済のために国際通貨基金(IMF)の金準備売却が検討され、オランダや英国が実際に金売却に動くなど、市場参加者の関心を集めました。ただ欧州中央銀行(ECB)を中心に欧州の中銀15行が1999年9月に金準備売却の上限を設けることで合意したことで金市場にただよう先行き不透明感が払しょくされることとなりました。



近年は経済成長で金準備を増加させる諸国も

世界最大の金保有国は米国です。1971年のニクソン・ショックで金と通貨の厳密なつながりは失われましたが、世界最強の軍事力を誇ることに加え、ドルが決済通貨として使われることからラスト・リゾート(資金の避難先)となる金を準備資産として大量に保有しています。欧州の金準備売却が関心を集めたとき、グリーンスパン元連邦準備理事会(FRB)議長は米国が金を売却することはないとしました。ただ米同時多発テロ以降、米国と中東諸国の関係が悪化するとドル資産離れが起き、一部諸国のドルをユーロなど他通貨に置き換える動きが出てきました。そのなかで中国は急速な経済成長を遂げるなか、準備資産も急増しており、金準備をさらに増加させるように主張する向きも出てきました。

需要

金の需要は宝飾品が大半を占める

需要面では、加工用需要退蔵用需要に大別されます。前者には宝飾品需要とその他の需要があり、その他には集積回路や半導体などの電子工業用、メッキ、歯科用材、公的金貨、メダルなどが含まれます。後者には投資用需要として金塊退蔵、欧米の退蔵購入があります。
最近の傾向として、経済成長とともに購買力が増した中国やインドから、また石油価格の上昇を受けて中東産油国などからの金需要が伸びています。加えて、欧米を中心とした長期運用資金が世界5カ国6市場に上場されている金ETF(上場投資信託)を通じて投資を増大させています。

世界最大の金消費国はインド

国別宝飾需要の推移

宝飾品のなかでも最大の需要国はインドであり、1980年代の規制緩和や近年の経済の急成長に伴って消費量は増加傾向にあります。同国の金需要は季節的なものがあり、10〜11月のヒンドュー教の新年にあたるディワリ(燈明の祭り)、4〜5月のアクシャヤ・トュリティーヤ(繁栄や豊かさを祈る祝日)に需要のピークを迎えます。

今後は中国の動向に注目

世界第2位はイタリアですが、加工して輸出することが大半を占めるため、同国の最終的な金消費はインドや中国に遠く及びません。3位は成長著しい中国で、中間所得層の拡大や金自由化を背景に、実質的には世界2位の消費国に躍り出て、伸び率においても他の国を圧倒しています。中国にも季節的な需要期があり、2月の旧正月と10月の国慶節の休暇シーズンに宝飾品の小売販売が増加します。

欧米の変動が激しく主な価格変動要因に

投資需要の推移

GFMSは、投資需要を欧米諸国と欧米以外に分けています。これは欧米以外の諸国では金地金が退蔵される傾向があるのに対し、欧米諸国では世界経済の状況などに応じて頻繁に売り買いする傾向があるためです。欧米以外で世界最大の投資需要があるのはインドで、2000年以降、おおむね50〜100トンで推移してきました。一方、欧米諸国の推移を見ると、2003年に712トンと大量に購入した次の年には59トン売却、2005年には364トン購入と目まぐるしく変化しています。先物市場を利用する向きも多く、金価格の変動要因のひとつになっています。