ドルとの逆相関

金はドル安に対するヘッジ
金はドル資産の下落時に資金の逃避先となるため、ドルと金価格は逆相関の関係にあります。1970年代の石油ショックに続いて、旧ソ連がアフガニスタンに侵攻した時は米ソの軍事衝突が懸念され、ドル資産が売られて金が買われ、急騰しました。一方、1990年代に米経済が大きく繁栄した時は、米国の債券市場や株式市場に資金が集まり、金は資産としての魅力が半減し、一部の中央銀行が金準備を売却するにまで至りました。

近年はドル中心の投資から分散投資へ
金はドル安に対するヘッジ(保険)の役割を持つとともに、株式や債券下落時のヘッジ対象ともなります。1990年代は米経済の繁栄で証券資産が投資家の関心を集めました。しかし、2000年以降は米国と一部イスラム諸国の関係が悪化したことから中東の富豪がドル資産をユーロなどに分散したことに加え、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国といった新興国)の発展による商品需要の増加を受けて商品投資が見直されており、国際商品投資の筆頭である金は買われやすい状況になっています。
金ETF人気

年金基金が金ETFをポートフォリオに組み込む
近年の金価格上昇の一因になったのが、金ETF(上場投資信託)の上場です。金ETFは2003年にオーストラリア証券取引所で初めて上場され、ロンドン、ヨハネスブルク、ニューヨーク、シンガポールと世界各地の株式市場でも取引が開始されました。投資家が金ETFを購入すると、運用会社がその投資金額の10分の1で現物を手当てする仕組みで、金の投資需要を急増させる要因となりました。買い手の中心は欧米などの年金基金です。
これまで金市場ではヘッジファンドが短期の運用目的で取引していました。しかし、今回の金ETF登場によって株式市場における長期の金投資が可能になり、年金基金の関心を集めることになったのです。年金基金は1990年代、株式や債券などの証券中心のポートフォリオを組んでいましたが、2000年以降は地政学的リスクやインフレ懸念の高まりを受けてポートフォリオに商品を組み入れる動きが顕著になりました。
国際商品投資はここ7年で10倍以上に増加
バークレイズ・キャピタルによると、機関投資家の国際商品投資は1999年には60億ドルでしたが、2006年に入ると、1,000億〜1,200億ドルに増加しました。ゴールドマン・サックス商品指数に連動した投資商品に資金が流入したほか、ここ数年で金ETFのほかに銀や原油のETF、主要商品をバスケットにした商品指数ETFに加え、ロンドン証券取引所に商品連動証券(ETC)も登場しており、今後も商品投資の人気が続くとみられています。

